最近、SNSやさまざまなメディアで話題になっている「MBTI」という言葉を目にしたことはありませんか?特に韓国のMZ世代(1981~1995年生まれのミレニアル世代、1996~2012年生まれのZ世代)のあいだでブームになり、日本の若者の間でも人気が高まり、注目されています。最近では年齢と一緒に『MBTIは何?』と盛り上がっているらしいです。

今回のコラムでは、「MBTI」について詳しく見ていきましょう。

※「MBTI」は一般社団法人日本MBTI協会に商標登録されています。

MBTI(エムビーティーアイ)とは?

MBTIとは「Myers-Briggs Type Indicator」の略で、心理学の観点から人々の性格を16種類に分類することから「16パーソナリティ」とも呼ばれる診断テストです。日本の一般社団法人である「日本MBI協会」によると

世界45か国以上で活用されている国際規格に基づいた性格検査

とのことです。

MBTIは、20世紀にカール・ユングの心理学理論を基に、母娘チームであるイザベル・ブリッグス・マイヤーズとキャサリン・クック・ブリッグスによって開発されました。

MBTI診断の基本となる4つのカテゴリー

MBTI診断では、個人の性格を16タイプに分類しますが、そのタイプを構成する4つの要素として、「興味関心の方向として外向型(E)と内向型(I)」「ものの見方として感覚型(S)と直観型(N)」「判断のしかたとして思考型(T)と感情型(F)」「外界への接し方として判断型(J)と知覚型(P)」の4つの要素から、それぞれのアルファベットの頭文字を組み合わせて表現されます。

興味関心の方向「外向型(E)と内向型(I)」

外向型(E)か内向型(I)を判定する「興味関心の方向性」は、興味や関心など、エネルギーの方向性を示すカテゴリーです。

自分のエネルギーの源が人と接する外側に向いているのか、自分の時間を大切にする内側に向いているのかが分かります。

「外向型(E:Extraversion)」は社交的で、人や活動からエネルギーを得ることを好み、周囲の人や環境を重視し、「内向型(I:Introversion)」は前に出たくない性格で、エネルギーを内省や単独での活動から得る傾向があり、自己の内面や個人的な価値観を重んじると言われています。

ものの見方「感覚型(S)と直観型(N)」

感覚型(S)か直観型(N)を判定する「ものの見方」は、ものの見方や認識のスタイルを意味するカテゴリーです。

情報を受け取ったときに、事実をベースに解釈するのか、未来や概念を重視して解釈するのかが分かります。

「感覚型(S:Sensing)」は現実重視タイプで、具体的な事実やデータに基づいて、物事を冷静に捉える能力があり、「直観型(N:Intuition)」は理想主義タイプで、可能性や将来の展望に目を向け、目に見えない要素や未来の展望に深い関心を持つ傾向にあると言われています。

判断のしかた「思考型(T)と感情型(F)」

思考型(T)か感情型(F)を判定する「判断のしかた」は、判断や意思決定の基準を示すカテゴリーです。

なにかを判断するときに、真実を優先するのか、人の気持ちを優先するのかが分かります。

「思考型(T:Thinking)」は論理重視型で、判断を下す際に論理や客観性を重視し、事実や原則に基づいて冷静に決断を下す傾向があり、「感情型(F:Feeling )」は感情重視型で、判断を下す際に人間関係や感情を重視し、調和や共感を大切にする傾向があると言われています。

外界への接し方「判断型(J)と知覚型(P)」

判断型(J)か知覚型(P)を判定する「外界への接し方」は、外部環境とのアプローチや態度を示すカテゴリーです。

計画通りに進めたいのか、ある程度の余白が欲しいのかが分かります。

「判断型(J:Judging)」は計画的で組織的なアプローチを好み、効率的に決断を下すことを重視し、「知覚型(P:Perceiving)」は柔軟性と適応力に優れ、臨機応変に対応できます。規則が苦手で、流れに任せた余裕のあるアプローチを好むと言われています。

MBTIの診断方法

MBTI診断はインターネット上でさまざまなサービスが提供されていますが、必ずしも公式の診断方法に基づいているわけではないため注意が必要です。

日本MBTI協会の診断

一般社団法人日本MBTI協会が行なっている公式なMBTI診断では、対話を通じて個々の性格タイプを理解し、自分をより活かすことに重点を置いているのが特徴です。

この手法は、単に診断結果を提供するだけでなく、対話のプロセスを通じて自身の性格タイプとどのように向き合い、活用していくかについて考える機会を提供しています。

16Personalitiesの診断

筆者もこちらの無料診断はやってみましたが、韓国でブームとなったことで広まった「16Personalities」の診断があります。

こちらは60問の質問に「とてもそう」「あまりそうでもない」「ふつう」といった7段階の程度から回答を選択して診断するWebサービスです。

日本MBTI協会の代表理事・園田由紀さん曰く、正式なMBTI診断とは別物らしいので注意は必要ですが、やってみた結果としては、「意外と的を射ているというよりも結構当たっている」というのが筆者の印象です。正直結構面白いと思いました。

まずはこの無料診断をやってみるのも知るきっかけとしては良いと個人的には思いますね。

MBTI診断で分かる16タイプと性格

MBTI診断では、前述にもあるように16の性格タイプで分類されています。「16Personalities」の診断では、4つのカテゴリーの頭文字のよる4文字のアルファベットと共に職業名が割り当てられています。

それぞれの性格タイプの名称と特徴について見ていきましょう。

INTJ(建築家)

INTJタイプは、「内向型」「直観型」「思考型」「判断型」という特性を持っており、計画的で、目標に向かって効率的に進むことを好む性格で、独自の視点と独立心を持ち、「戦略家」とも呼ばれるタイプです。

客観的な事実に基づく論理的思考や推論、複雑な問題解決に長けており、目標達成に強くコミットメントする傾向があります。一方で、感情表現が苦手で独断的な発言でチームワークを乱してしまうことも。

INTP(論理学者)

INTPタイプは、「内向型」「直観型」「思考型」「知覚型」な傾向が強く、好奇心旺盛で独自の考えを持つ性格で、深い知性を持ち、情報の収集や論理的な思考を得意とするタイプです。

論理的かつ分析的な思考家で物事を探求すると同時に、独創的な発想による問題解決能力に優れています。一方で、集団に属することやチームワークを求められる作業が苦手です。

ENTJ(指揮官)

ENTJタイプは、「外向型」「直観型」「思考型」「判断型」の特性を持ち、目標達成を重視し、計画的に行動することを好む傾向で、自分の意見や考えをしっかりと持ち、それを周りに伝えること、リーダーシップを取ることが得意なタイプです。

戦略的思考に優れたリーダータイプで、組織運営や意思決定、チームの動機付け、戦略的計画と実行において優れた能力を発揮します。一方で、刺激や変化を求める傾向があり、ルーチンワークが苦手な一面も。

ENTP(討論者)

ENTPタイプは、「外向型」「直観型」「思考型」「知覚型」の特性を兼ね備えており、新しいアイディアや視点を持ち、変革を求める性格で、柔軟な思考を持ち、既存の枠組みにとらわれず、独自の視点で物事を考えることが得意なタイプです。

戦略的思考による問題解決や新しいアイデアを活かしながらプロジェクトを推進する、リーダーとしての活躍が期待されます。

INFJ(提唱者)

INFJ(提唱者)は、「内向型」「直観型」「感情型」「判断型」という特性のある他者の感情や思考を察知する能力が高く、深い洞察力と強い信念を持ち、理想主義者としての側面を持っているタイプです。

人の感情や状況を敏感に察知する直観力と洞察力に優れており、良好な人間関係の構築を得意とします。一方で、周囲への過度な気遣いによって、人間関係にストレスを抱えることもしばしば。

INFP(仲介者)

INFP(仲介者)は、「内向型」「直観型」「感情型」「知覚型」な特性を持ち、他者の感情を尊重し、調和を重視する性格で、控えめで静かな外見の裏に、情熱的な内面を秘めているタイプです。

他者の感情に敏感で、優れた共感能力によって人との絆を深めるタイプです。夢や理想を実現するために、前向きにチャレンジしていきます。一方で、慎重になりすぎて決断や行動に移すのが遅くなる一面も。

組織においては、チームの結束力を高めるサポーターや相談役として大きな貢献が期待されます。

ENFJ(主人公)

ENFJ(主人公)は、「外向型」「直観型」「感情型」「判断型」という特性があり、リーダーシップを発揮し、グループの調和を重視する性格で、他者の感情やニーズを敏感に察知し、サポートや助言を行うことを得意とするタイプです。

社交的で共感力に優れ、人々を鼓舞し影響を与えるカリスマ性を備えているのが特徴です。高い理想と計画性で目標達成に励みますが、他者の問題に深く関わりすぎて自分を犠牲にする傾向があります。

組織内ではチームのリーダーとして人々を導き、組織の成長と発展に貢献するでしょう。

ENFP(運動家)

ENFP(運動家)は、「外向型」「直観型」「感情型」「知覚型」な特性を有しており、新しいアイディアや視点を持ち、変革を求める性格で、人間関係を重視し、他者とのコミュニケーションを得意とするタイプです。

社交性が高く人とのつながりを大切にし、自分の感情や思いを表現することが得意です。好奇心旺盛で創造性が高く、さまざまなことに興味を持ちます。一方で、計画を立てることが苦手で、粘り強さに欠けることも。

ISTJ(管理者)

ISTJタイプ(管理者)は、「内向型」「感覚型」「思考型」「判断型」という特性をもち、計画的で、責任感が強く、ルールを守ることを重視し、一貫性と伝統を重視し、冷静で現実的な性格で、事実や経験に基づく判断を得意とするタイプです。

堅実で責任感が強く、計画に基づいた行動を好むのが特徴です。感情よりも事実を重視し、冷静かつ論理的な思考に基づいて信頼性の高い行動を選択します。ただし、柔軟性に欠ける点に注意が必要です。

ルールや規則が定まっている公務員や、正確さを求められる財務や監査などの仕事で能力を発揮できるでしょう。

ISFJ(擁護者)

ISFJ(擁護者)タイプは、「内向型」「感覚型」「感情型」「判断型」という特性を持ち、家族や友人との関係を大切にし、調和を求める性格で、他者の感情やニーズを敏感に察知し、サポートや助言を行うことを得意とするタイプです。

他者への思いやりと共感力に優れています。また、細部に対する鋭い注意力と、緻密な計画性も強みです。一方で、自己主張やリスクを伴う行動には慎重になる傾向があります。

組織内においては、メンバーのサポーターや連携役として、重要な役割を担うでしょう。医療・看護・教育など、対人関係が重視される職業にも適性を発揮します。

ESTJ(幹部)

ESTJ(幹部)は、「外向型」「感覚型」「思考型」「判断型」という特性を持ち、伝統や秩序を重んじる性格で、リーダーシップを発揮することが得意なタイプです。

ロジカルな思考で事実やデータに基づいた計画性のある行動をとり、周囲から信頼される存在です。誠実で決断力に優れ、目標達成に向けてチームを導くことを得意とします。一方、ルールやマニュアルから外れることが苦手なため、融通がきかないと思われることも。

組織内ではリーダーポジションで成果を上げることができるでしょう。

ESFJ(領事)

ESFJ(領事)タイプは、「外向型」「感覚型」「感情型」「判断型」という特性を持ち、人間関係を重視し、グループの調和や安定を求める性格で、他者とのコミュニケーションを得意とするタイプです。

社交性と協調性に優れ、相手の気持ちを尊重しながら行動するのが特徴です。一方で、伝統や秩序を重んじるため、時代の変化や新しいニーズへの対応が遅れがちな部分も。

組織内ではチームリーダーとして活躍できるでしょう。教育・ヘルスケアなど、人をサポートする職業においても優れた能力を発揮します。

ISTP(巨匠)

ISTP(巨匠)タイプは、「内向型」「感覚型」「思考型」「知覚型」という特性を持ち、実践的で、手を動かして何かを作ることや、新しい技術を学ぶことを好む性格で、論理的な思考や分析を得意とするタイプです。

柔軟で適応能力が高く、現実的な解決策を見いだす能力に秀でています。どんな状況でも感情に流されず、論理的な判断ができるのも強み。一方、寡黙で感情表現が苦手なため他者への共感力に乏しい一面があり、対人関係に課題を抱えることがあります。

エンジニアやプログラマーなどの技術職で能力を発揮できるでしょう。

ISFP(冒険家)

ISFP(冒険家)タイプは、「内向型」「感覚型」「感情型」「知覚型」という特性があり、芸術的なセンスを持ち、自分の感情や価値観を大切にする性格で、感覚や直感を頼りに行動することを得意とするタイプです。

型にはまらない自由な発想と豊かな想像力を持ち合わせています。新しい状況や変化に柔軟に対応する芸術家タイプで、アイデアの実現のために積極的に行動するのが強み。一方で、計画性を持って物事を進めるのが苦手なため、地道な努力が不得意な一面もあります。

組織内では、新しい戦略やアイデアの提供者として活躍できるでしょう。組織の団結を強化する能力にも秀でています。

ESFP(エンターテイナー)

ESFP(エンターテイナー)タイプは、「外向型」「感覚型」「感情型」「知覚型」という特性を示し、楽観的で、周囲の人々を楽しませることを好む性格で、人とのコミュニケーションやエンターテインメントを得意とするタイプです。

社交的で人を楽しませる素質があります。自由かつ好奇心旺盛な性格で、環境の変化にも柔軟に対応できるのが強み。一方、常に刺激を求めていたいタイプで、ルーチンワークや長期的な計画を立てるのが苦手です。

組織内ではコミュニケーターとして活躍し、イベントやプロジェクトの成功をサポートします。特に、営業や広報担当などの人と接する職業において力を発揮できるでしょう。

ESTP(起業家)

ESTP(起業家)タイプは、「外向型」「感覚型」「思考型」「知覚型」という特性を持ち、冒険心があり、新しい経験や挑戦を求める性格で、現在の環境や状況に応じて柔軟に行動することが得意なタイプです。

合理的な判断力を持ちつつ、理想に向かって行動する情熱家です。プレッシャーに強く、リスクを恐れずポジティブに物事を進めていきます。一方で、熱しやすく冷めやすい飽き性な一面も。

組織内では自発的に行動する管理職、チームリーダーとして力を発揮するでしょう。

アルファベット4文字の後のTとAの意味

MBTIの結果では、16の性格タイプに「-T(Turbulent)」または「-A(Assertive)」のアルファベットが追記されることがあります。

この2つの型は、主に自己信頼度とストレスへの対応力に関連しており、 「T」は“神経型”、「A」は“自己主張型” と呼ばれています。

ただし、公式のMBTI診断では「T」と「A」の区分は用いられてはいないそうです。「-T」や「-A」は、簡略化されたテストなどで見られるもののようなので、あくまで参考程度に捉えておくと良いでしょう。

まとめ:MBTI診断は、自分を客観的に分析するのに効果的なツールです

ただし、診断結果はあくまでも参考のひとつです。すべてを決定付けるわけではないということを理解したうえで、上手に活用していきましょう。

どうしても気になるという方は、公式な診断方法を用いている一般社団法人日本MBTI協会の診断を申し込んでみましょう。相談しながらの診断が可能です。